New York

【MLB】”雨天中止”に対するカルチャーショック

 

海外旅行をすると、カルチャーショックを受けることは多いと思います。
怖くもありますが、それが海外旅行の醍醐味ですよね。
海外文化を体験するにはやっぱり現地のイベントなどに積極的に参加をすることがおすすめです。

そしてもちろん、そこに球場があるのなら一度は観戦をしてみることをおすすめします。

期待を裏切らないカルチャーショック

2019年9月に訪れたヤンキースタジアム。

実はこの日、朝から土砂降り。デーゲームだったので雨が止むのか判断できずにホステルから出られないでいました。

ツイッターを見ても同じように困っているファンがたくさん。
ギリギリになっても中止の発表がされないため、雨の中ヤンキースタジアムへ向かうことに。

この時すでに試合開始時間を過ぎていたけど、グランドはこんな状態。

 

 

小雨かと思ったらまだ土砂降り…の繰り返し。
私が座っていた3階席は屋根があるので全く濡れることはなかったので、MLBの球場で本を読むという贅沢な時間を味わうことにしました。

 

 

結局試合は雨で遅延。
開始予定13:05から2時間後、15:05にグランドにスタッフが出て来た時の観客の大歓声。

その瞬間、これがすごく好きだな、と思いました。

待っている間の観客の様子は、誰もイライラせず、ご飯を食べたりビールを飲んだり仲間と話したり。自分ができる中でその時間を楽しもうとしていました。
日本だと、この時点で帰る人はもっと多いのではないかと思います。
でもこの球場では、みんな野球を待っていました。

アナウンスが流れて「15:55試合開始です」と行った時は「Aww…」とため息が球場を包みましたが、スタッフが並んでシートを剥がすときにはまた歓声。

 

 

3時間待ち続け、やっと試合が始まりました。

MLBにおける”試合中止”の意味

なぜすぐに中止の判断をせず、3時間も観客を待たせたのか。
これには、MLBのリーグ構成が理由として関わってきます。

日本のプロ野球は、全部で12球団で試合を行います。
全て日本国内なので、遠いところへの遠征は飛行機ですが、バスや新幹線を使っての移動も可能です。

一方、MLBは全部で30球団もあるのです。

アメリカ国内(一部カナダ)とは言え、移動の距離が日本とは遥かに違います。ほとんどが飛行機での移動になります。
ロサンゼルスからニューヨークまで飛んだ場合、5時間以上…。

そうなると、彼らの試合のスケジュールはキツキツになるわけです。

球団数も多いため、予備日の日数も日本より少なく、簡単に延期にすることはできないのです。(試合成立せずに中止になった場合は、予備日に持ち越されます)

これが、ヤンキースタジアムで3時間も待たされた背景ということです。

 

もしかしたら、アメリカの生活も関係してくるかもしれません。

日本ではほとんどの方が電車で移動しているため、”終電”というジレンマが付きまとってくると思います。
アメリカに住んでいると、車移動は当たり前です。
ニューヨークは車で移動しなくとも、24時間地下鉄は動いています。
そのため、「早く帰らないと家に着けなくなる」という感覚が無いのかもしれません。

彼らは急いでいない分、球場での待ち時間の楽しみ方を知っているのです。

余談ですが、MLBの球場へは野球目的でなく来ている人はたくさんいます。
野球を見ずに、ドリンクパーティーが開かれていたり(これぞパリピ)、カップル同士終始キスをしていたり、新聞を読んでいたり、寝ていたり…。

テレビで見ていた時から知ってはいましたが、実際にどの球場でもこのような方々はたくさんいらっしゃいます。

 

2013年の写真。さすがに近くで撮りすぎた…(その距離50cm)

 

これがアメリカ文化を好きな理由のひとつ

試合開始を待っている間、気が短い人はいませんでした。
みんなここに、純粋に楽しみに来てる。楽しく生きている。

それが感じられただけでも、この遅延3時間は無駄じゃないなと思った、そんな日でした。